HPCスタッフコラム

2017.10.19

高齢者におけるサルコペニアの症状の 予防と筋フィットネスのための レジスタンス運動

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サルコペニアという言葉をご存知ですか?現在サルコペニア(加齢に伴う筋の委縮・機能低下)は高齢者だけの問題ではなく活動量の少ない若年層にも起こり、また成人期の運動や生活習慣が高齢期のサルコペニアの発現に影響を及ぼすとも言われています。そこで、今回はサルコペニアの原因とメカニズムについての説明から予防に対するレジスタンストレーニングの役割やガイドラインまでを科学的エビデンスを持って解説している記事の紹介です。
文字数:12,197文字|目安閲読時間:20~30分

Volume 17, Number 10, pages 20-30

高齢者におけるサルコペニアの症状の予防と筋フィットネスのためのレジスタンス運動
Resistance Exercise for Sarcopenic Outcomes and Muscular Fitness in Aging Adults

Mark D. Peterson, PhD, CSCS*D

はじめに:加齢に伴う衰弱
「サルコペニア(sarcopenia)」という用語は、ギリシャ語の sarx(筋肉)とpenia(減少)を語源とし、Rosenberg(83)が1989年に、加齢に伴う筋量の減少と機能的能力の低下を表す言葉として初めて用いた。以来、高齢者にみられる筋弱化の非特異的な脆弱性、機能的障害、併存症、および総合的な自立性の低下を指す言葉として広く用いられている。このような筋組織の量の減少と質の低下は40代か50代に始まり、その後、年齢を重ねるに従って徐々に悪化する。このような衰弱は通常、活動レベルの低下や疾病による非活動/不動化が原因であり、65歳を過ぎるとさらに悪化することが明らかになっている(8)。このような現象に伴う複雑な合併症は、その重症度により「不便」から「生活を変える」程度まで様々な症状として現れ、公衆衛生上の大きな脅威とみなされている。

増加する有病率
加齢に伴う生理的機能の衰えを観 察 し 注 目 し た 研 究 者 は、 無 論、Rosenberg(83)が最初ではない。臨床医は、早くも1800年代後半には、高齢者の間で見られる筋の萎縮と萎縮に関連のある機能障害や死亡率を記録していたが、この観察される現象に対して再び研究者の注目を集めようとRosenbergは「サルコペニア」という用語を造った。これにより、1996年にはこの用語が使われ、実際にサルコペニアの研究が増加したことで注目を浴びることになった(40,84)。

この当時の研究以来、記録されている限り、10年以上続く長期的な調査はきわめて少ないが(4,7,29,47)、サルコペニアに関する既存のデータでは、年代別にみると成人後期に有意に高い罹患率が報告されている。サルコペニアの根本原因については、骨格筋量の正味の減少自体か、あるいは骨格筋の筋力やパワーの機能的低下が身体障害や併存症の主要な予測因子であるのかを巡って多くの論争がある。そのため大抵の研究は、サルコペニアの進行特性を明らかにしようとする目的から、多数のメカニズムと関連のある障害の発生に的を絞ってきた。

絶対筋量に基づくサルコペニアの二分法では、四肢の平均筋量が健康な若年成人(18~39歳)より1~2標準偏差(SD)少ない場合を中程度のサルコペニアとし、>2SDの場合を重度のサルコペニアとして分類してきた。この分類基準により、疫学的研究を通して発生頻度の追跡が可能となり、身体障害/併存症と病因との関連性などを調べる多面的な研究も可能となった。しかし、サルコペニアと筋の弱化は「病気」とはみなされず、急性の機能障害や関連する併存症へと発展する、むしろ個別の症状とみなされるため、初期に発見されることはめったにない。したがって、長期間に相当大きな筋の萎縮と機能障害をもたらす可能性がある。早期に発症する脆弱性を正確に診断することが困難であるのは、衰弱が緩やかに、しばしば無症候性の現象として発現するからである。

若年集団と高齢集団の除脂肪筋量の基本的な相違を定量化する疫学的研究により、60~70歳の10~20%がサルコペニアであるのに対して、80代の人々では、50%以上がサルコペニアに分類されることが判明した(8,40)。大方の推定では、暦年齢と筋量低下の間には強い相関関係が示唆され、年齢層が高くなるにつれて、除脂肪体重の低下が起こると推定できる。確認されたこの低下曲線にもかかわらず、筋の萎縮と脆弱性の程度には高齢者間で相当な開きがあり、それは部分的には、若い時期に達成したピーク筋量に起因すると思われる(図1)(88)。

さらに、サルコペニアの影響を受けている人々は、歩行障害、可動性、および日常生活の基本動作を含めて、継続的な機能障害のリスクが顕著であることがデータにより示されている(69)。女性に特に多い合併症として、サルコペニアの女性は骨粗鬆症と診断されたり、骨粗鬆症に関連のある骨折を経験したりする可能性が高い(69)。閉経が直接筋量の低下に影響を与えるかは不明確だが、65~70歳の閉経後の女性の間ではサルコペニアの女性が高確率で存在すると思われる。

高齢の男性と女性を比較すると、サルコペニアの相対的リスクに関して相違した証拠が見られる。この相違は、主にサルコペニアの運用とそれがどのように機能的指標の低下、身体障害、および/または併存症と関連しているかに基づいている。いくつかの調査では、男性の間では女性より発症頻度が高く、萎縮が大きいことが示唆された(9,69)。男性は一般に、どの年齢層においても女性より筋量の初期値が高いため、高齢の男性が加齢により失う絶対的な筋量は女性より多い傾向がある。この筋量の減少はある程度、男性のタンパク同化ホルモンの生成の顕著な減少に起因すると思われる(45)。性別にかかわらず、サルコペニアはさらに、体脂肪量、身体活動レベル、筋量減少が始まる前の除脂肪筋量の違いや併存症の有無などと関連があり、またそれらが原因であると説明されている(9)。

「サルコペニア」という用語は、特に骨格筋量の退行変性を指しているが、ほぼすべての専門家が、衰弱の本質は完全に形態的な変化にとどまらず、筋の機能的能力の低下まで含むと考えている。平均すると、報告されている筋力の低下は、一般に20~40%の間である(57,71,105)。この低下は80代、90代の高齢者ではさらに大きくなり、最大筋力の50%まで低下することが示唆されている(71,72)。

さらに筋力と筋量の低下が本質的には異なることを裏付ける証拠があり、これらの加齢に関連のある変化がある程度独立していることが指摘されている(53,66,105)。筋力とパワーは主として神経筋系の特性に依存するため、加齢に伴う非活動性は、一般的な萎縮による結果を上回る大きな影響を及ぼす。そのため、筋力とパワーが筋機能障害の優れた指標の役割を果たす可能性があると思われ、筋力とパワーを測定することは、多数の機能的な結果と直接関係のある貴重な情報を提供する(20,52)。特に、筋力とパワーは両方とも、筋量よりも強力な相補的可動性の指標であり、独立の指標として使用すると、50歳以上では女性のほぼ全員、男性の約70%は「危険な状態」に分類される(58)。

中程度のサルコペニアは、前かがみになる、うずくまる、ひざまずくなどの動作の困難を伴うのに対し、重篤なサルコペニアは椅子からの起立困難が伴う(44)。本質的に、これらの問題は自分自身の体重をコントロールし操る能力の衰えを表し、絶対的な筋萎縮というよりも、相対的な筋の機能障害の結果(体重に見合った筋力の低下)である。筋の機能的能力の向上が障害の発生を予防し改善する効果をもたらすので、これらの指標を高齢者の集団検診の重要な基準として検討すべきである。握力は、虚弱を診断するために、「筋力」の適切な代理指標として推奨されているが(28)、握力による評価の応用は限定的であり、疫学的研究の頻度スクリーニングや追跡の範囲外である。むしろ、臨床的スクリーニングプログラムによる早期発見には、筋量の代理評価(体組成など)と組み合わせた多数の全身の機能的指標(下半身の筋力とパワー、体幹の筋力と安定性など)を取り入れる必要がある。

サルコペニア、併存症、身体障害:循環的な原因と結果?
様々な危険因子がサルコペニア、筋弱化、および障害の原因として認識されている。年齢や性別に加えて、ある特定の慢性疾患は、筋の減少と機能障害のリスクを大きくする。多くの場合、これらの慢性疾患は相互に関連性があり、生活様式および/または行動パターンに起因する。骨粗鬆症(17,24,81)、関節炎(86,91)、心臓血管疾患(79)、肥満(16)、インスリン抵抗性(10,14)などは、サルコペニアの発症および進行と関連性が高い。

障害とこれらの慢性疾患のいずれか1つ以上の原因となる、行動上の危険因子としては、喫煙、肥満症、身体活動の不足、不適切な食習慣などがある。これらの中で、運動不足は、非常に多くの研究が加齢に伴う萎縮や脆弱性に対処するために注目している修正可能な危険要因である。筋量と機能の低下は、高齢者の身体障害の主要な要因とみなされているが(27)、これらの変化は、この集団の身体活動が継続的に減少する主な原因でもある。したがって、サルコペニアが能力障害に先行して起こると推測することは合理的ではあるが、その身体障害自体がさらにサルコペニアと弱化をもたらすことも十分あり得る。身体障害は大抵、身体活動への参加をますます減少させ、そのことが究極的に神経筋系に対する全体的な刺激の低下をもたらす。

サルコペニアは容易に予防と治療が可能な疾患とみなされているが、筋量の減少が始まった時点で診断されることはまれであり、気付かぬうちに活動レベルの低下をもたらし、機能的能力を低下させ、やがて徐々に、だがかなり重大な筋の衰弱をもたらす。明らかに、身体障害と慢性的な非活動性に伴う結果は、その他の多くの疾病プロセスの原因となる危険因子として作用すると思われる。この循環的因果関係(図2)が、加齢に伴う合併症状への対応をきわめて困難にしている。

公衆衛生の観点から、サルコペニアと弱化は治療可能な病状であること、そして早期サルコペニアの高齢者は、戦略的な運動治療介入から利益を得る可能性が最も高いことを示唆する有力な証拠がある(22,30,34,39,77)。医療介護の提供は、究極的には増大する医療費との戦いでもある。平均寿命が続伸し、それに伴い65歳以上の高齢者人口が増加しているからである。2006年には、アメリカの65歳以上の高齢者は3,700万人で全人口の12%を占めていた。この年代は2030年までに7,150万人に達し、人口の20%を占めると予測される(26)。

しかし、病気ではない、特定の「症状」にかかる費用を統計的に把握することは困難であるため、研究者らは、サルコペニアと「同時に発現する」関連のある機能的障害および身体障害の発生を調査した。身体障害は、転倒事故(65,78,87)、介護施設への入所(102)、家庭介護サービスの利用(11)、病院での治療(23)などと関連性がある。身体障害によって発生する費用は、年間ほぼ190億ドルであると推定された(46)。さらに、転倒事故による直接の治療費は、毎年ほぼ200億ドルと推定され、2020年までに430億ドルに達すると予測される(21)。これらの推定額は、他の把握可能な疾病に関連のある症状や併存症(心臓血管疾患、糖尿病、骨粗鬆症など)による追加的費用は反映していない。しかし、身体障害とこれらの生活様式に関連のある慢性疾患との関係は十分に裏付けられている(42)。高齢者の間でサルコペニアの高い有病率とサルコペニアに関連する障害、さらに障害のある人々における医療費増大を考えると、この症状により急増する経済的負担は、かなり莫大であると予想される。

衰弱のメカニズム
サルコペニアと弱化は年をとるに従って起こる多元的なプロセスであり、身体形態学的変化をはじめ、代謝、ホルモン、そして神経生理学的変化など、ヒトの身体に起こりうる様々な変化から影響を受け、またそれらを反映している。これらの変化は、基本的には明らかに異なる変化でありながら、相互に関連する加齢プロセスである。形態学的な面からは、全身の骨格筋(図3に示されている筋の横断面積[CSA])(92)と筋線維の萎縮が高齢者の筋力低下の顕著な変化を説明している。

この萎縮は、タイプⅡ線維では特に大きいように思われる。外側広筋に関しては、タイプⅡ線維ではCSAが25~50%減少することが明らかになっている。一方、タイプⅠ線維では 1 ~25%の減少が報告されている(60,61,82,93)。この現象は、部分的には、若い筋と比較して古い筋では、脱神経と神経再支配の周期が異なることが原因であるとされる(62,68)。老化した筋では、神経再支配よりも脱神経のほうが多いため、全体的な結果として、運動単位と実質的な筋線維の数が減少し、それがサルコペニアの進行の原因となる(68)。特にタイプⅡ線維は、最大筋力の発揮に欠くことができないため、これらの線維の萎縮は神経筋系の筋力とパワーの発揮能力に直接的な結果をもたらす。

これらの変化は、ある程度、タンパク同化ホルモンの産生だけでなく、タンパク質合成率の変化も一因であると考えられる。特に、諸研究によると、筋タンパク質の合成率は、若年集団に比べ高齢者集団では相当遅いこと(5,97,99,103)、またこの低下はサルコペニアの初期に始まること(73)が一貫して証明されている。最終的に、低下したタンパク質合成率が除脂肪体重の減少をもたらし、やがて肥満症、インスリン抵抗性、冠状動脈性心臓病、関節炎などを含む、より重大な負の健康状態と結び付く。さらに、近年得られた証拠は、加齢に伴い脂質浸潤(筋内の脂質含有量)が有意に増加することを示唆している。これもまた全筋量とは無関係に、筋弱化と機能低下に関与すると思われる(33)。筋内への脂質浸潤は代謝障害に関連があるため、わずか1年間に18%以上増加することが報告されていて、その後のインスリン抵抗性を増加させ、代謝症候群のリスクを高める(31,32)。筋内脂質の蓄積は、代謝に対し、内臓脂肪組織の蓄積と同様の影響を示す。

「心臓血管健康調査」から得たデータによると、高レベルの炎症とインスリン抵抗性は、代謝症候群、心臓血管疾患、サルコペニアや虚弱と関連のある機能障害の発症を増加させることが確認された(6)。したがって、ホルモン環境の顕著な変化に関連して、これら蓄積した筋内脂質の存在が慢性の炎症状態をもたらす可能性があり、それが代謝障害を増幅し、続いてサルコペニアや筋弱化を生じさせる原因となると思われる。多数の慢性病がサルコペニア肥満症(筋萎縮と脂肪蓄積が同時に起こる)に起因する。したがって、このような合併症状と同時に起こる相対的な除脂肪体重の減少は、重大なマイナス結果とみなさなければならない。

代謝指標やホルモン指標の機能的な低下に加えて、加齢に伴う神経筋機能の変化も力発揮能力に直接影響を及ぼす。特に、高齢の被検者では、筋活動中の運動単位「発火」が著しく減少することを示唆するエビデンスがある。中枢神経から主働筋への指令低下が影響し、拮抗筋組織の共同活性が増大する(41,52,70)。主働筋と拮抗筋の共同活性化は、ダイナミックな活動中の関節の安定性にある程度必要であると考えられるが、過度の共同活性化は主働筋の機械的な能力を阻害し、相互抑制と運動効率の低下を招く。

筋力とパワーの発揮に特化した研究結果でも、収縮強度が増加するにつれて、利用可能な運動単位が大きく減少すること、したがって、より高強度の筋活動中は、機能的能力が大きく抑制されることが明らかになっている(68)。最終的に、動員される運動単位数の変化は、最大力発揮、機械効率、機能的能力に劇的な影響を及ぼし、その影響は、より大きな力やより高速の筋活動を行うときに一層増幅されると思われる。

その後起こる神経筋系の神経的および構造的要因の変化は、筋サイズとは無関係に、観察されうる機能的能力の低下をさらに説明していると思われる。特に随意最大収縮の条件下で若年の被検者と高齢の被検者を比較すると、運動単位の最大発火頻度、すなわち「レートコーディング」の顕著な低下が記録されている。大方の推測では、(筋持久力、姿勢変化、バランス活動などに必要な)低強度の筋活動に伴うレートコーディングの頻度に関しては、若年者と高齢者の差は有意ではない(48)。しかし、最大下および最大の強度および/またはスピードが必要とされる場合には、低下が徐々に明白となる(18)。高齢の被検者において、素早いトルクの立ち上がり速度は50%、筋の動員は20%低下する(51)。したがって加齢は、高速での随意収縮中の最大トルク発揮速度に対するマイナス効果を増大させ、このようなパフォーマンスの低下は、主として運動単位の最大発火頻度の低下に起因すると推定できる。最終的に、運動単位の発火頻度の変化が、最大筋力や最大パワーを産生する、あるいは必要とする筋活動に、最も重大なマイナスの影響を及ぼすと思われる。

筋力とパワーの低下はまた、筋構造の変化にも影響を受けると考えられる。細胞レベルで生じるこのような変化は、羽状角と筋束長の変化として現れ、また継続的なサルコメアの損失および/または筋線維長の減少の結果であることが示唆される(75)。そのため、長年にわたり加齢と非活動性は、目で見てわかる除脂肪筋量の絶対的な変化にとどまらず、筋骨格構造自体に顕著な影響を及ぼす。構造の変化は筋機能の低下を予示し、高齢者の筋力とパワーの低下の約50%を説明すると思われる(74)。臨床所見から、筋構造のこのような変化が、長さ-張力関係と力-速度関係の両方に影響を及ぼし、したがってトルク発揮や力の立ち上がり速度の能力にマイナスの影響を及ぼすことは十分に考えられる(63)。サルコペニアの発症プロセスにおけるこれらをすべて合わせた影響は、明らかにタンパク同化ホルモンの産生低下および/または筋量の絶対的な減少だけではなく、老化しつつある筋骨格系の神経筋および構造の特徴に関連のある、複雑で進行性の退行変性を表している。多くの転倒事故が、素早い力の立ち上がり速度に対する能力の低下(すなわち、効率的で素早い身体および四肢の姿勢の立て直しが阻まれる)によって、さらに、大きな力の伸張性活動を行う能力の低下(転倒中の体重を効果的に減速する能力)によって起こる。明らかに、これらの事故を防ぐ能力には、除脂肪筋量の保存に加え、筋力とパワーの発揮能力を維持することが必要である。

高齢者のためのレジスタンス運動:研究による証拠
身体活動と比較的高強度のエクササイズはともに、総合的な健康の維持や向上に貢献するだけでなく、障害の発生低下、生活の質の向上を促進する。しかし一般的に、高強度のエクササイズは、歩行のような低強度から中強度の身体活動様式よりもさらに、加齢に伴う筋力の低下を埋め合わせる方法とみなされている。これは下肢の機能的能力に対して特に重要である。CSAがより大きいため、下半身の加齢に伴う筋の萎縮と筋力低下の程度は上半身を上回り(20)、したがって、下肢筋力にプラスの影響を及ぼす介入モデルは、総合的に機能的能力の強化に大きな効果を及ぼす。特に、下肢の筋の弱化は、高齢者における歩行速度の低下(12)、下肢パフォーマンスの低下(96)、機能障害(44)、転倒(90,101)、身体障害(8,43)、虚弱(94)における第一の、また独立した原因である。滑って転ぶ事故の負傷者は、大腿四頭筋(65)と足関節屈筋(89,100)の筋力が「転倒経験のない人」に比べて著しく低下しているとのデータがある。

筋力と除脂肪体重は、身体障害と機能障害の予測指標であるため(44,96)、レジスタンス運動(以下RE)は通常、高齢者にとって優れた運動様式であるとみなされている。筋力不足とパフォーマンス能力低下の間には強い相関関係があり(7,23)、その低下率は主として個人的に異なるものの(50)、早期診断とREへの参加により一層の低下を緩和できる可能性がある(49)。レジスタンストレーニングは高齢者にとって、単に安全であるだけでなく、筋力と除脂肪組織の増加に特に効果的であることが明らかになっている(25,30,35,36,80,95,98)。複数の調査により、短時間のREの後でさえ、高齢者の筋タンパク質合成率と神経筋適応反応が、運動前にははるかに低率であったにもかかわらず、若い被検者に匹敵するまでになったことが報告されている(37,76,85,104)。一層重要なことに、高齢の男女を対象にした近年のメタ分析では、漸進的トレーニングが「機能的限界」の向上に対して有効であることが確認された(64)。しかし、全調査にわたり報告されたREの有効性の程度には大きな相違がある。この変動は、被検者の過去/現在の健康状態、年齢、性別の結果であり、さらに、例えば量、強度、頻度、休息/回復、レップ速度など、実施されたトレーニングにおける多くのトレーニング変数の相違による可能性が高い。REの効果を裏付ける証拠の出現により、REは高齢者にとって、サルコペニア、弱化、機能障害などの予防と対応に対する方法としてますます広く受け入れられるようになってきた。若年および/または中年の男女と健康な高齢者の各集団を対象とした従来の比較からは、相違する結果が得られた(35,37,59)。REに対する同等の適応反応を示した調査研究も複数あるが(35,37,76)、別の調査は、より若い集団においてより大きな適応を示唆していると思われる(59,67)。我々の研究室で得た未発表の最新データでは、年齢と筋力の適応との間に有意な負の関連性が確認され、さらに、REへの適応反応が50代を過ぎると低下することが示唆されている。したがって、かなり大きな筋力の適応が「最高齢者」でも起こりうるが(56)、早期に筋力を獲得することは、機能的運動能力と手段的日常生活動作の十分な維持、身体障害の予防、さらに自立の維持などに転換されて、利益をもたらすことが期待できるだろう。

レジスタンス運動の処方の留意点
高齢者のためのREの有用性は、最近、最も高いレベルのエビデンス(エビデンスカテゴリー A)によって裏付けられているとみなされているが(15)、高齢者のためのREの処方や処方量の漸進に関する適切な方法についての共通認識はほとんどない。漸進的なREの基本原理は、研究とリハビリ戦略の進歩に対応して、体系的に応用、変更されている。しかし、基本的原理は、DeLormeとWatkinsが60年前に初めて理論化して以来(19)、大きく変化してはいない。当時、REはリハビリ目的であり、兵士の筋力と筋量の増加のために用いられた。これらの原理においては、(a)疲労するまで、少数のレップを行うために十分重い負荷を使用すること、(b)完全な回復のために、セット間に十分な休息をとること、そして(c)生理的適応を可能にするために、時間をかけてトレーニング負荷を漸増させることが必要とされた。

これらの報告の後40年を経て、レジスタンストレーニングの人気が高まったにもかかわらず、健康および運動関連組織による高齢者のための勧告が初めて登場したのは、1990年代後半になってからであった。1998年に、アメリカスポーツ医学会 American College of Sports Medicine(ACSM)(2)は、健康な成人のために、「筋フィットネス」の維持あるいは向上をもたらすエクササイズ様式として、レジスタンストレーニングの使用を承認した。ACSMによる推奨事項は、8 ~10種目の異なるエクササイズを1セットずつ用いること(中程度から最大努力で)、週2~3回行うこと、レップ数は 8 ~12レップ(若者)か10~15レップ(高齢者/心臓病患者)とすることであった(2)。ほぼ同じ時期に、ACSMは高齢者のための一般的なエクササイズ推奨事項を承認するポジションスタンドを続いて公表した(1)。これらの推奨事項にはREに関する勧告も含まれていた。具体的には、上肢、下肢、体幹の主要筋群の漸進的なレジスタンストレーニングを2~3セットずつ、少なくとも週2日、できれば3日取り入れることを提案した(1)。これらの従来の提案では、高齢者集団のためのREの利用に関して必要最小限度の処方が推奨されたが、現在では、レジスタンストレーニングの漸進モデルが、高齢者の筋フィットネスと除脂肪組織の増大に非常に効果的であるだけでなく、少量の非漸進的トレーニングと同じように安全であることを確認した豊富なデータが存在する。

最近発表されている、若年および中年の健康な成人に推奨される身体活動は(3,55)、特にREの処方に関して、高齢者のための身体活動(15)と大きく異なっている。基本的な相違として、若年成人のための大多数の介入研究とその後の推奨事項には、筋フィットネスの適応を促進するピリオダイゼーションモデルが含まれている(3)。一方、そのような提案は高齢者集団の処方としては容認されていない。一般的なピリオダイゼーションの計画には、筋フィットネスの適応を継続的に増大させるためにトレーニング量の調節を行う、戦略的で多元的なアプローチが必要である。

通常認められているように、何歳であってもトレーニング初心者のRE処方には、導入のための「順応」段階またはエクササイズに「習熟する」段階を含む必要があり、その間はきわめて少ない処方量(少量、低強度)のレジスタンストレーニングを週1~3回行う。しかし、この初期段階の後、漸進モデルに関して、高齢者が若年者と同様の利益を得られないという理由はない。適応速度は高齢の男女では遅くなる可能性があるが、トレーニング処方量の漸進が、高齢者の筋力、持久力、筋肥大、パワー発揮、適応反応を引き出すことに非常に効果的であることを裏付ける実質的なデータがある。

ここに提案する漸進システムは、筋力の向上を可能にするために、単にトレーニング負荷を増加させるよりも一層緻密に作成されている。実際、長期間に単にトレーニング負荷だけを増やす方法は、ある時点を越えると十分な効果を発揮しなくなると思われる。それは、無期限に、同じ相対強度(最大筋力に対する)への依存が避けられないからである。しかし、その名称が示すように「漸増レジスタンストレーニング」は通常、それぞれの筋フィットネスの向上増大に合わせて、例えば、「 2 for 2 」のルールに基づいて、次第に負荷を増加させる活動と考えられる。年齢にかかわらず、レジスタンストレーニングの漸進モデルには、量、頻度、様式、休息、レップ速度などの処方要素とその他多数の構成要素の体系的な調整を行う必要がある(3)。

これらのプログラム変数の中では、間違いなく、レジスタンストレーニングがその有効性とリスクに関する最も多くの考察が行われている。高齢者間におけるREの漸進の適切性に関する論争の多くは、この集団により高いトレーニング負荷を課すことの有効性と安全性に関する疑問から生じている。本質的に、努力に対する利益率が、筋肥大や筋力の増加を可能にする漸進的な量を用いることを正当化しないのであれば、例えばバランストレーニング、心臓血管系/有酸素性エクササイズ、柔軟性/ストレッチングなどの他の機能的トレーニングの指導よりも多量のREを行うことの機会コストは正当化されないだろう。

しかし、トレーニング頻度を調節することによって、高齢者がこのようなプロトコルを用いて有意な適応を経験することは可能であると思われる。ピリオダイゼーションでは通常、長期間かけてトレーニングの強度を漸増し、量を漸減し、より高強度のトレーニングプロトコルに順応するための十分な機会を与えることが必要である。筋力と筋肥大の同時向上を目指すトレーニングは、トレーニング強度だけではなくトレーニング量の漸進も必要とするため、漸進的な過負荷と漸進的な量の両方が可能な戦略的な処方が必要である。オーバートレーニングなしで、トレーニングの量と強度の両方を同時に高めるためには、間接的に漸進させなければならない。すなわち、各トレーニングセッションの量を減少させながら、トレーニング頻度を変えることにより、単位時間当たりの総トレーニング量を増やすことができる。要するに、ワークアウト毎の量と週毎のトレーニング頻度との間に交換関係があるならば、所定のトレーニングセッションにおける量と強度にもなお交換関係がある。したがって最終的に、セッション毎のトレーニング量は同一だが頻度の異なる2つのプログラムは、所定の週の終わりには処方量が異なる結果となる。

例として、Hunterら(38)は2000年に、61~77歳の男女を対象とした26週間の漸進的レジスタンストレーニングが、エネルギー消費、体組成、筋力に及ぼす効果を調査した。トレーニングは、11種目のエクササイズを2セットずつ合計22セットからなるワークアウトを週3回行う、合計66セットの全身レジスタンストレーニングで構成されていた。トレーニング強度はおよそ75% 1RMが可能となるまで26週間を通じて徐々に変化させた。この研究の結果、トレーニング後に筋力(36%)と除脂肪体重( 2 kg)の有意な向上が証明された。現在推奨されているのは、漸進的なレジスタンストレーニングに週2~3回参加することであるが、さらに頻度を多くしてトレーニングを行うことにより(週3~4回)、高齢者は、トレーニング量の漸進に最もよく耐えうると思われる。このモデルでは、セッション毎の量は比較的少ないが、週毎の量はより多く、その結果、長い間に強度が漸増する。体系的にプログラムを作成すれば、レジスタンストレーニングの漸進モデルの適用は安全で実施可能であるだけでなく、力発揮と筋肥大の両方の適応を十分に促進する効果的な方法を提供する(表)。

おわりに
過去10年間に発表された研究は、高齢の男女におけるREの有効性を一貫して裏付けている。除脂肪体重と筋フィットネスのためのREの処方と漸進に関しては、高齢者集団と若年集団の間で、潜在的な適応反応だけでなく、必要条件も類似していることを示唆するエビデンスがある。さらに最近のレビューは、REを身体活動の不可欠な構成要素として取り入れることの健康上の利益として、骨粗鬆症、関節炎、心臓血管疾患、糖尿病、抑うつなどのリスク低減に役立つことを強調している(54)。従来は、高齢者のREの利用については、必要最小限だけ取り入れることが提案されてきたが、今では量と強度を漸進させることが除脂肪量および機能の有意な向上をもたらすために効果的であり、また生涯にわたる安全な方法であることを裏付ける豊富な
研究結果が存在する。

筋量と筋力/パワー発揮能力は、後に起こる身体障害、機能障害、疾病と高い関連性があるため、これらの能力の向上が高齢者の自立、健康、そして総合的な福祉の維持に役立つ可能性は十分にあると思われる。現在、アメリカの人口の約27%が余暇にRE活動を行っている(13)。しかし、50歳以上のREの参加率は劇的に低下し、75歳以上になると10%まで低下する(13)。REは、加齢に伴う能力低下の予防と改善に役立つ有効な方法である。したがって、この健康活動の提供を促進するための率先的努力が確実に必要とされている。

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